| ■童話・散文 | |
あ | 秋田街道 | どれもみんな肥料や薪炭をやりとりするさびしい家だ。 |
| あけがた | おれはその時その青黒く淀んだ室の中の堅い灰色の自分の |
| ありときのこ | 苔いちめんに、霧がぼしやぼしや降って、 |
| 或る農学性の日誌 | ぼくは農学校の三年生になったときから今日まで |
い | イギリス海岸 | 夏休みの十五日の農場実習の間に、私どもがイギリス海岸と |
| 泉ある家 | これが今日のおしまひだらう、と云ひながら斉田は |
| いてふの実 | そらのてっぺんなんか冷たくて冷たくてまるでカチカチの |
| イーハトーボ農学校の春 | 太陽マヂックのうたはもう青ぞらいっぱい、 |
| インドラの網 | そのとき私は大へん疲れてゐてたしか風と草穂との底に |
う | うろこ雲 | そらいちめんに青白いうろこ雲が浮かび月はその一切れに |
| 馬の頭巾 | 甲太は、まちはづれに、おかみさんと二人ですんでゐました。 |
お | 狼森と笊森、盗森 | 小岩井農場の北に、黒い松の森が四つあります。 |
| おきなぐさ | うずのしゅげを知ってゐますか。うずのしゅげは、植物学では |
| オッペルと象 | オツペルときたら大したもんだ。 |
| 女 | そらのふちは沈んで行き、松の並木のはてばかり |
か | 貝の火 | 今は兎たちは、みんなみじかい茶色の着物です。 |
| カイロ団長 | あるとき、三十疋のあまがへるが、一緒に面白く仕事をやって |
| 蛙のゴム靴 | 松の木や楢の木の林の下を、深い堰が流れて居りました。 |
| 学者アラムハラドの見た着物 | 学者のアラムハラドはある年十一人の子を教えて居りました。 |
| かしはばやしの夜 | 清作は、さあ日暮れだぞ、日暮れだぞと云ひながら |
| 風の又三郎 | どっどど どどうど どどうど どどう あゝまいりんごも吹きとばせ |
| 花壇工作 | おれは設計図なぞ持っていかなかった。 |
| 家長制度 | 火皿は油煙をふりみだし、炉の向ふにはここの主人が |
| ガドルフの百合 | ハックニー馬のしっぽのやうな、巫山戯た楊の並木と陶製の |
| 烏の北斗七星 | つめたいいぢの悪い雲が、地べたにすれすれに垂れました |
| 雁の童子 | 流砂の南の、楊で囲まれた小さな泉で、私は、いった麦粉を |
| 革トランク | 斉藤平太は、その春、楢岡の町に出て、 |
き | 黄色のトマト | 私の町の博物館の、大きなガラスの戸棚には、剥製ですが |
| 飢餓陣営 | コミック オペレット |
| 疑獄元凶 | とにかく向ふは検事の立場、今の会釈は悪くない。 |
| 気のいい火山弾 | ある死火山のすそ野のかしはの木のかげに |
| 銀河鉄道の夜 | 「ではみなさん、さういふふうに川だと云はれたり、 |
く | グスコーブドリの伝記 | グスコーブドリは、イーハトーヴの大きな森のなかに |
| 蜘蛛となめくぢと狸 | (洞熊學校の卒業生) |
| 車 | ハーシュは籠を頭に載っけて午前中町かどに立ってゐました |
| 黒ぶだう | 仔牛が厭きて頭をぶらぶら振ってゐましたら向ふの丘の上を |
| クンねずみ | クンねずみのうちは見はらしのいいところにありました。 |
け | けだもの運動会 | 「いかん。貴様が勝つにきまってるぢゃないか。 |
| 虔十公園林 | 虔十はいつも縄の帯をしめてわらって杜の中や畑の間を |
こ | 耕耘部の時計 | 農場の耕耘部の農夫室は、雪からの反射でしろびかりが |
| 氷と後光 | 「えゝ」雪と月あかりの中を、汽車はいっしんに走ってゐました |
さ | さいかち淵 | さいかち淵ななら、ほんたうにおもしろい。 |
| サガレンと八月 | 「何の用でこゝへ来たの、何かしらべに来たの、 |
| ざしき童子のはなし | ぼくらの方の、ざしき童子のはなしです。 |
| さるのこしかけ | 楢夫は夕方、裏の大きな栗の木の下に行きました。 |
| 山地の稜 | 高橋吉郎が今朝は殊に小さくて青じろく少しけげんさうに |
| 三人兄弟の医者と北守将軍 | 一、プランペラポラン将軍 |
し | 鹿踊りのはじまり | そのとき西のぎらぎらちぢれた雲のあひだから、夕陽は赤く |
| シグナルとシグナレス | 『ガタンコガタンコ、シュウフツフツ、さそりの赤眼が見えたころ、 |
| 紫紺染について | 盛岡の産物のなかに、紫紺染といふものがあります。 |
| 十月の末 | 嘉ッコは、小さなわらぢをはいて、赤いげんこを二つ顔の前に |
| 十力の金剛石 | むかし、ある霧のふかい朝でした。 |
| 十六日 | よく晴れて前の谷川もいつもとまるでちがって楽しくごろごろ |
| 植物医師 | 一幕 時 一九二〇年代 処 盛岡市郊外 |
す | 水仙月の四日 | 雪婆んごは、遠くへ出かけて居りました。 |
せ | 税務署長の冒険 | 一、濁密防止講演会 イギリスの大学の試験では牛でさへ |
| セロ弾きのゴーシュ | ゴーシュは町の活動写真館でセロを弾く係りでした。 |
た | 台川 | 〔もうでかけませう〕たしかに光がうごいてみんな立ち上がる、 |
| 大礼服の例外的効果 | こつこつと扉を叩いたので、さっきから大礼服を着て |
| 種山ヶ原 | 種山ヶ原といふのは北上山地のまん中の高原で、青黒い |
| 種山ヶ原の夜 | 夢幻劇 |
| タネリはたしかにいちにち 噛んでゐたやうだった | ホロタイタネリは、小屋の出口で、でまかせのうたをうたひながら |
| 谷 | 楢渡のとこの崖はまっ赤でした。それにひどく深くて急でしたから |
| 「旅人のはなし」から | ずっと前に、私はある旅人の話を読みました。 |
ち | チュウリップの幻術 | この農園のすもものかきねはいっぱいに青じろい花をつけて |
| 注文の多い料理店 | わたしたちは、氷砂糖をほしいくらゐもたないでも、 |
つ | ツェねずみ | ある古い家の、まっくらな天井うらに、「ツェ」といふ名まへの |
| 月夜のけだもの | 十日の月が西の煉瓦塀にかくれるまで、もう一時間しか |
| 月夜のでんしんばしら | ある晩、恭一はざうりをはいて、すたすた鉄道線路の横の平らな |
| 土神と狐 | 一本木の野原の、北のはづれに、少し小高く盛りあがった所が |
て | 手紙 | むかし、あるところに一疋の竜がすんでゐました。 |
| 電車 | 第一双の所有者(むしゃくしゃした若い古物商。 |
と | 毒蛾 | 私は今日のひるすぎ、イーハトブ地方への出張から帰ったばかり |
| 毒もみの好きな署長さん | 四つのつめたい谷川が、カラコン山の氷河から出て、 |
| とっこべとら子 | おとら狐のはなしは、どなたもよくご存じでせう。 |
| 鳥箱先生とフウねずみ | あるうちに一つの鳥かごがありました。 |
| 鳥をとるやなぎ | 「煙山にエレッキのやなぎの木があるよ」 |
| どんぐりと山猫 | をかしなはがきが、ある土曜日の夕がた、一郎のうちにきました。 |
な | 楢の木大学士の野宿 | 楢ノ木大学士は宝石学の専門だ。ある晩大学士の小さな家へ、 |
| なめとこ山の熊 | なめとこ山の熊のことならおもしろい。 |
に | 二十六夜 | 旧暦の六月二十四日の晩でした。北上川の水は黒の寒天よりも |
ぬ | 沼森 | 石ヶ森の方は硬くて痩せて灰色の骨を露はし大森は黒く松をこめ |
ね | 猫 | (四月の夜、とし老った猫が)友達のうちのあまり明るくない電燈 |
| 猫の事務所 | 軽便鉄道の停車場ちかくに、猫の第六事務所がありました。 |
は | バキチの仕事 | 「あゝさうですか。バキチをご存じなんですか」 |
| 化物丁場 | 五六日続いた雨の、やっとあがった朝でした。黄金の日光が、 |
| 畑のへり | 麻が刈られましたので、畑のへりに一列に植ゑられてゐた |
| 花椰菜 | うすい鼠がかった光がそころいちめんほのかにこめてゐた。 |
| 林の底 | 「わたしらの先祖やなんか、鳥がはじめて、天から降って来た |
| 茨海小学校 | 私が茨海の野原に行ったのは、火山弾の手ごろな標本を採る |
ひ | ひかりの素足 | 鳥の声があんまりやかましいので一郎は眼をさましました。 |
| ビヂテリアン大祭 | 私は昨年九月四日、ニュウファウンドランド島の小さな山村、 |
| ひのきとひなげし | ひなげしはみんなまっ赤に燃えあがり、めいめい風にぐらぐら |
| 氷河鼠の毛皮 | このおはなしは、ずゐぶん北の方の寒いところからきれぎれに |
ふ | 双子の星 | 天の川の西の岸にすぎなの胞子ほどの小さな二つの星が |
| 二人の役人 | その頃の風穂の野はらは、ほんたうに立派でした。 |
| 復活の前 | 春が来ます、私の気の毒なかなしいねがひが又もやおこること |
| 葡萄水 | 耕平は髪も角刈りで、おとなのくせに、今日は朝から口笛などを |
| ぶどしぎ | よだかは、実にみにくい鳥です。 |
| フランドン農学校の豚 | 以外の物質は、みなすべて、よくこれを摂取して、脂肪若くは |
へ | ぺンネンネンネンネン ・ネネムの伝記 | 実際、東のそらは、お「キレ」さまの出る前に、琥珀色の |
ほ | 北守将軍と三人兄弟の医者 | むかしラユーといふ首都(みやこ)に、兄弟三人の医者が居た。 |
| ポラーノの広場 | そのころわたくしは、モリーオ市の博物局に勤めて居りました。 |
| ポランの広場(戯曲) | ファンタジー 第二幕(第一幕ナシ) |
ま | マグノリアの木 | 霧がじめじめ降ってゐた。諒安は、その霧の底をひとり、 |
| まなづるとダァリヤ | くだものの畑の丘のいただきに、ひまはりぐらゐせいの高い、 |
| 祭の晩 | 山の神の秋の祭りの晩でした。亮二はあたらしい水色のしごきを |
| マリヴロンと少女 | 城あとのおほばこの実は結び、赤つめ草の花は枯れて焦茶色に |
み | みじかい木ペン | キッコの村の学校にはたまりがありませんでしたから雨がふると |
| 峯や谷は | 峯や谷は無茶苦茶に刻まれ渡しはわらぢの底を抜いて |
め | めくらぶだうと虹 | 城あとのおほばこの実は結び、赤つめ草の花は枯れて焦茶色に |
や | 柳沢 | 林は夜の空気の底のすさまじい藻の群落だ。 |
| 山男の四月 | 山男は、金いろの眼を皿のやうにし、せなかをかがめて、 |
| やまなし | 小さな谷川の底を写した二枚の青い幻燈です。 |
ゆ | 雪渡り | 雪がすっかり凍って大理石よりも堅くなり、空も冷たい滑らかな |
よ | よく利く薬とえらい薬 | 清夫は今日も、森の中のあき地にばらの実をとりに行きました。 |
| 四又の百合 | 「正偏知はあしたの朝の七時ごろヒームキャの河をおわたりに |
| ラジュウムの雁 | 青ざめた薄明穹の水底に少しばかりの星がまたたき出し |
り | 龍と詩人 | 龍のチャーナタは洞のなかへさして来る上げ潮からからだをうねり |
わ | 若い木霊 | 「ふん。こいつらがざわざわざわざわ云ってゐたのは、ほんの |
他 | 農民芸術概論 | 序論・・・われらはいっしょにこれから何を論ずるか・・・ |
| ■詩 | |
| 春と修羅1 | |
| 春と修羅2 | |
| 春と修羅3 | |
| 春と修羅4 | |
| 東京 | |
| 三原三部 | |
| 装景手記 | |
| 文語詩稿 | |
| 文語詩未定稿 | |
| 修羅白日 | |
| 肺炎詩篇 | |
| 手帳より | |